テーマ:雪国と Snow Country

長いトンネル

長いトンネル 『雪国』 と "Snow Country" 松野町夫 (翻訳家) 『雪国』の「長いトンネル」は、新潟と群馬の県境にある上越線・清水トンネルを指す。清水トンネルは、県境の清水峠(谷川岳の一部)の中腹を貫通し、新潟県の土樽駅(つちたるえき)と群馬県の土合駅(どあいえき)の間を南東に一直線に設置された全長9,702…
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夜の散歩

夜の散歩 『雪国』 と "Snow Country" 松野町夫 (翻訳家) 朝や夕方の散歩は健康的で気持ちがいい。しかし夜の散歩はおもむきがちがう。とくに男と女の冬の夜の散歩は。島村はまもなく東京へ帰る、もうこれっきりかもしれない、駒子の心は不安で落ち着かない。 【川端康成の『雪国』 新潮文庫 74ページ】 …
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こんな日は音がちがう

こんな日は音がちがう 『雪国』 と "Snow Country" 松野町夫 (翻訳家) 秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音(おと)にぞ おどろかれぬる (秋が来たと目にははっきり見えないが、風の音ではっと気づく) 【藤原敏行(ふじわらのとしゆき)、?‐901、三十六歌仙の一人】 「こんな日は音がちがう…
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鳥肌が立つ

鳥肌が立つ ことば (69) 『雪国』 と "Snow Country" 松野町夫 (翻訳家) 十九や二十(はたち)の田舎芸者の三味線なんか高が知れている、という思いが島村の頭のどこか片隅にあったのかもしれない。駒子は意外なことに三味線の名手であった。その音色の凛(りん)とした純粋さに、島村は鳥肌が立つほどに圧倒され叩…
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勧進帳(かんじんちょう)

勧進帳(かんじんちょう) ちらっと下唇を噛む 松野町夫 (翻訳家) 寺院の建築・修理費の寄付を集めることを勧進(かんじん)というが、勧進帳は、その趣旨(しゅし)や寄付者名などを記入する帳面のこと。お芝居の勧進帳といえば、歌舞伎十八番の『勧進帳』が有名だ。日本人なら誰でも知っている。兄の頼朝(よりとも)の追っ手から逃れる…
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遠い空想

遠い空想 葉子の美しい呼び声 松野町夫 (翻訳家) 空想は非現実的なものだが、実現の可能性がまったくないわけではない。空想はたいてい、視覚的・画像的傾向を持ち、創造性に富んだユニークなものを秘めている場合が多い。音楽・絵画・文学・哲学・宗教・科学なども空想をぬきにしては、とうてい進展など望みようもない。それに、なにより…
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三味線のお稽古 (2)

三味線のお稽古 (2) 長唄の本 松野町夫 (翻訳家) 長唄(ながうた)は三味線音楽の一種。歌舞伎音楽として江戸に発生し発展したという。歌舞伎や舞踊のための長唄を私はほとんど知らないが、三味線歌曲でも、都都逸(どどいつ)や小唄(こうた)などの俗曲なら接する機会が多かった。若い頃、私は田舎から上京していっとき北新宿で…
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三味線のお稽古

三味線のお稽古 こんな日は音がちがう 松野町夫 (翻訳家) 翌朝、島村が目を覚ますと、駒子はもう火鉢へ片肘(かたひじ)突いて古雑誌の裏に落書きしていた。女中が火を入れに来て、驚いて飛び起きたら、障子に日があたっていて、明るいのでもう帰れないと駒子はいう。 【川端康成の『雪国』 新潮文庫 64ページ】 部屋い…
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芸者に出る

芸者に出る 男と女の会話はおもしろい 松野町夫 (翻訳家) 島村と駒子の会話は、ある種の緊張感があっておもしろい。 【川端康成の『雪国』 新潮文庫 61ページ】 「芸者に出たのは何月。」 「六月。もしかしたら私、今頃は浜松へ行ってたかしれないのよ。」 「所帯(しょたい)を持って?」 駒子はうなずいた。…
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夕焼空

夕焼空 山峡は日陰となるのが早い 松野町夫 (翻訳家) 温泉宿で島村は女按摩から駒子の身の上を聞く。駒子は師匠の息子の婚約者だという。そうだとしても、息子はやがて死ぬのだとすれば、駒子が芸者に実を落としてまで金を工面し療養させたことも徒労ではないのか?按摩が帰ってからも島村は部屋に寝転びながら、そんなことを考えていると…
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三味線を弾く

三味線を弾く 翻訳は直訳ではまずい 松野町夫 (翻訳家) 翻訳では、原文の意味・内容をできるだけ損なわないように他の言語に移し換えなければならない。これは「言うは易く行うは難(かた)し」で、私などややもすると原文の字面(じづら)を追い、直訳調になりがちである。翻訳は直訳調ではまずい場合が多い。文学は特にそのようだ。以下…
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按摩(あんま)

按摩(あんま) 按摩とマッサージは異なる 松野町夫 (翻訳家) 駒子の家を出て宿に帰る坂を登りつめたところで、島村は盲人の女按摩に会う。 按摩は日本語では、按摩することも按摩する人も両方とも按摩というが、英語では按摩することをマッサージ(massage)と言い、男のマッサージ師をマッサー(masseur)、女マッ…
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三味線をまたぐ

三味線をまたぐ ものをまたぐのはよくない 松野町夫 (翻訳家) ものをまたぐのはよくない。特に、大事なものや神聖なものをまたぐと罰が当たる、と昔から日本では信じられてきた。「またぐ」とは、股(また)を開いて、ものの上を越えること。動詞の「またぐ」は、名詞の「股(また)」=「またぐら」から派生していると思う。股(また)は…
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十能(じゅうのう)

十能(じゅうのう) 火は綺麗だ 松野町夫 (翻訳家) 昔から火は生活に欠かせない。現代ではコタツと言えば、まず電気コタツを連想するが、昔は電気がなかったのでコタツにはたいてい炭火を使用した。なので、火に関連する日用品は多かった。たとえば、十能・火箸・火吹竹(火起し)・火掻き・火鉢など。 十能(じゅうのう)は炭火などを持ち…
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土間へ入る

土間へ入る 「~すると、~であった」は、英語ではひとつの主語で表現できる 松野町夫 (翻訳家) 土間(どま)とは、床板(ゆかいた)を張らず地面がそのまま床になっている部屋のこと。土間は最近ではあまり見かけなくなったが、私の子供の頃(1960年)鹿児島の田舎では土間付き住宅が普通だった。土間には、かまど、流し、台所、水が…
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雪国と Snow Country

雪国と Snow Country (5) 目次 うちへ寄っていただこうと思って if 節(条件節)に単純未来を表す "will" が使用できる場合 【川端康成の『雪国』 新潮文庫 50ページ】 「うちへ寄っていただこうと思って、走って来たんですわ。」 「君の家がここか。」 「ええ。」 「日記を見せてくれる…
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雪国と Snow Country

雪国と Snow Country (4) 目次 神社であった 神社と寺院は異なる 思いちがい 英語の ”mistake” は行為だけでなく「意見」も含む お煙草でしょう 日本語の語順 あの子に気の毒したよ 英語の使役動詞(causative verb) 遠回り 「回り道」の反意語は「近道」 …
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雪国と Snow Country

雪国と Snow Country (3) 目次 なにしたらおしまいさ 婉曲語法、ユーフェミズム (euphemism) 黙って立ち去ったのは誰? 『雪国』では、「女」という語は駒子のみをさす 対の黄蝶 求愛活動の美しさと愛の破局を暗示する どうなすったの? 日本語は敬語などの待遇表現が豊富 な…
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雪国と Snow Country

雪国と Snow Country (2) 目次 川端康成の官能的表現 直訳か意訳か 会話文には接続詞はいらない!? 会話文 (2) 「あんなことがあったのに」は英語でどう言うの? 婉曲表現: 「居住まいを直す」は英語でどう言うの? 駒子との出会い 芸者を呼ぶ 「お湯道具」は「タオルと石鹸」だ…
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雪国と Snow Country

雪国と Snow Country (1) 松野町夫 (翻訳家) 目次 『雪国』を読めば、日本語と英語の発想がわかる! ものとものとの関係 - 発想の違いを検証する 長文は短文に分割すると翻訳が簡単! 直訳か意訳か 日本語には間接話法はない! 地の文と会話文 『雪国』を読めば、日本語と英語の発想…
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